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私は高校から大学までアメリカに住んだ。そして、一通りアメリカをわかったつもりでいた。しかし、それが、恐らく表面的であったことが段々とわかってきた。

911以降、もう一度、基礎から、アメリカ、西洋、イスラムを学ばなければ、今の世界は理解できない、と、考え直した。

すると、どうも、今まで見過ごしてきたような、さらに深いアメリカが見えるようになった。しかし、これらの新しいアメリカ像は、大学3,4年のときに、毎日議論した、アイルランド系アメリカ人の政治学科(ポリティカルサイエンス)の学生との会話なしには、理解不能だったかもしれない。

このアイルランド人学生は、毎日、私の部屋にズカズカと入ってきて、「自由」について、驚くほど、嫌になるほど、理屈っぽく語るのだった。私はただ、それを、呆然と聞いているか、たまに、根本的なところから、彼の論理をひっくり返すようなことをいったりもした。彼は意外と素直であり、議論に負けたと思うと、数日間、部屋に引きこもってしまい、マリファナなどを吸っていた。これは、誤解を招くかもしれないが、アメリカ人は、かなり優秀な人でも、マリファナをやる人が多い。最近、「世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち」という本を、念入りに読んだ結果、西洋においては、「自由」や「権利」には、4種類くらいあると知った。

この辺は、結構複雑であり、簡潔にまとめると、

1)天が人間に自由を与える主義
2)人間が人間に自由を与える主義
3)政府が人間に自由を与える主義
4)法律が人間に自由を与える主義

一見すると同じようだが、これらには、それぞれ名前がついているらしく、その思想体系の創始者のロッキアンとか、ベンサム主義とか、ナチュラルロー主義とか、詳しくは 名著 「世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち」に、恐ろしいほど、詳細に書いてある。

そして、やっと私はわかった。あのアイルランド系アメリカ人が、あれほどまでにして、悩み続けながら、毎日、何かを発見したように、「自由のあり方」について、悩み続けていた理由が。

つまり、彼は、他のアメリカのインテリ知識人と同じように?副島本に書かれているような、上記のような4つの自由のどれが正しいのか?ということを、悩んでいて、東洋人で日本人である私ならば、何か面白いことを言うんではないか?とでも思っていたんだろう。

と同時に彼は、なんかいきづまっている様子であることも多かった。なにせ、高校のときに、若者のギャング(麻薬組織団とか、暴力団、ロサンゼルスに多数存在した)に、集団暴行され、2ヶ月間の入院生活などをした、という、精神的トラウマがあって、彼にとっては、自由とか、人権とか、そういうものと、現実生活は、恐らく、同じ土壌で考えるべき問題だったからだ。

当時から、「拳銃の国」アメリカはあったし、昔からアメリカはそうだった。アメリカの場合、彼はギャング団にやられた方だったわけだが、彼が拳銃を持ちたいと思ってもおかしくない。自由とは、アメリカにおいては、自衛すること、もしくは拳銃を持つことと、時に、同義である、ということを、彼は、体現していたように思える。というか、そういうことを、本音では、言いたがっていたように思える。

そういう複雑なアメリカ人の心境には、何か途方もない、孤独か寂しさのようなものがつきまとう。移民したばかりの頃の、原住民に襲われるかもしれないという、拳銃で守らなければ、無法者のカウボーイにやられるかもしれないとか、そういう、原体験のようなものが、どこかにアメリカにあって、今でも、それが、現実に起こりうるということを、彼は体現しているのであった。

よって、アメリカの拳銃を正しいとする団体は、いまだに、選挙のときなどに、権力があって、見逃せなかったりするのだ。日本でいえば、靖国神社の人たちを、選挙で落とすわけにはいかないというのと似ているかもしれない。

しかし、それにしても、いったい、このアメリカ人の友人は、何が言いたいんだろうか?と、真剣に首をかしげたくなるようなことが多かった。彼と議論していると、彼が空振りする機会が多いので、困った。しかし、リバータリアン思想体系というのが少しわかってきたら、急に、あの20年前の彼や、彼に似たような学生の主義主張のようなものの正体というか、黒幕がわかってきたように思える。

それは、どういうことかというと、ここからは、かなり専門的になるのだが、「世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち」の副島氏によると、アメリカには、リバータリアンという、思想体系があって、それは、いわば、前述の4種類の自由思想などの解釈を通じて、紆余曲折して出来上がった、個人の自由を尊重しながら、と同時に、個人が、他者に向かって、自分の自由を侵すな、と強制するような思想であると理解した。拳銃の思想と、どこか似ている。

この発想法は、実に面白いものであり、魅力的であり、それが、あの、アメリカ人のインテリ大学生たちを、魅了する、あの本だったんだ、とわかった。「あの本」とは、何かというと、アメリカ人大学生で、私がいたような大学(いちおう、5本の指に入るとされるようなところ)にいる人は、高校生の頃からか、大学に入ってからか、いずれかの時期に、「ある本」を、ボロボロになるまで読む、という習性があることに、私は気づいた。

これは、帰国後に気づいた、日本における、司馬遼太郎の読まれ方と実に似ている。

その本とは、アインランド、というロシアからアメリカに亡命した女性の本である。なんというか、アメリカ人同士が議論していて、何か問題がありそうになると、まるで、最後の切り札のように、この人の名前が出てくるということに私は気づくようになった。

しかし、さらっと読んでみても、いったい、何が、そんなにありがたいのか、さっぱりわからなかった。ただ、アインランド本に夢中になる人は、大抵、声高く、「自分の自由」を、他人に強要するように見えることが多かった。

しかし、どうも、彼らの本心は、そうでなかったらしいということが、最近、アインランド女史が築いた、リバータリアン思想体系、というものを理解すると同時に、少し、わかってきた。

それは、私流に言うと、自分のことは、自分でやるから、邪魔しないでほしい主義、というようなものであり、最近、自分で料理するようになって、はじめて、その気持ちがわかるようになった気がする。いや、それとも、自分のことは、拳銃で守るというような過激な思想なんだろうか?どうもそんな気がしてきた。いや、それは、ネオコンだろう?あ?そうかな?わからん。

しかし、当時のアメリカ人が、そういう思想に被れたのは、最近の日本がそうであるように、全て、中国人にとられてしまうのではないか?というような不安があったからなのかもしれない。もしくは、ソ連という存在に、全てを指示されてたまるか!という、アメリカ人魂。それは、まるで、あの映画、ロッキーのような、そういうものであったのかもしれない。

最近になって、やっと、日本が、中国の脅威と北朝鮮の脅威というセットに襲われて、急に、あの頃の、そういうアメリカ人魂の意味がわかるような気がしてきた。

最近の日本の若い人は就職するときに、大企業というよりか、自分の手に職をつけて、キャリアアップする、というのも望む、とテレビでやっていたが、それは、まさに、アインランド本が若者に訴えていた思想なんじゃないか、と思える。私の理解が正しければ、リバータリアン思想という、アインランド本が訴える思想は、まさに、自分で、自分を立てる、という発想法であり、自給自足の理想を持っている。

よく、アメリカ人は、アインランド女史が、ロシア出身なのに、どうして、こんなに難しい英語が書けたのか、不思議でならない、と言っていた。これは、アインランド中毒になるような、インテリ学生には、共通に見られる意見だった。

しかし、当時の私には、それが何のことかわからなかったが、その興奮する姿は、帰国後に見た、司馬遼太郎を読んで興奮している若い日本の男性(どういうわけか、女性はこういうものにはのめりこまないようだ)の雰囲気と似ていた。

よく考えると、司馬遼太郎も、何らかの自立主義だったんではないか?自給自足主義というか、人生そのものが、そういう雰囲気に満ちていたとも思える。自衛主義というような側面も、文章に現れていたとも思える。

アインランドも司馬遼太郎も、言語を操る天才であったという点で、やはり、ある程度のインテリ学生レベルの人に好まれるという点でも似ているかもしれない。

「世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち」によると、アメリカの政治思想の底流には、アイソレーショニズム(孤立主義、と直訳される)という、いわば、自給自足主義があって、もしくは、他国に不干渉、他国に干渉しない=戦争に参加しない主義、というのがあって、本当は、そっちの思想のほうが強いのだが、軍事産業の強さに勝てない、というような背景があるのだと、私は最近になって、アメリカの軍事株の勉強をしていて、急にわかってきた。

それが、特に、中東地域との戦争となると、原油産業が、逆に儲かるのだと、アメリカ株を調べていたら、思いっきりわかってしまった。アメリカの油田地帯である、テキサス油田は、ブッシュ大統領親子の利権の中心であるが、その油田は主に、中東戦争が始まってから、掘られたものばかりだが、それが、莫大な利益を生み出しており、だから、ブッシュは、あれでも?大統領になれたのだ、とわかった。

と同時に、あれほど、馬鹿正直に、原油利権団体や、軍事産業利権団体の、忠実かつ、完璧なワシントンの代理人代表を、勤められる人は、他にはいないのかもしれないとも思えてきた。

ブッシュが選挙で、ゴアと争ってるとき、選挙のパンチングカードが、問題になって、大騒ぎしているとき、ある人が現れ、演説を行った。アメリカは、こんなことで、二派に分かれてはいけない、というようなことを、その人はいった。パット ブキャナンという人だった。そして、最近、わかったことだが、そういえば、この人は、湾岸戦争、ブッシュ父親のときも、国論が、戦争すべきか、どうか、で割れているとき、ぱっと、現れて、はっきりと、戦争を支持した。すると、まるで、アメリカ国民は、天皇陛下でも現れたかの如し、一斉に静まり、騒ぐのをやめた。(訂正:どうも違うらしい。私の記憶では、そうだったが、実際には、パットブキャナンは、戦争反対もしくは、他国への干渉反対主義だったらしい。恐らく、私が目にしたのは、それでも、戦争をやると、ブッシュ父親が、何とか川を渡る思いで=死ぬ覚悟みたいな、戦争をすると決断したとき、ブキャナンは、恐らく、戦争を支持する側に回ったのか?それとも、私の記憶違いか、勘違いか?)

あの選挙騒動のときも同じだった。「世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち」の本によると、パットブキャナン氏は、テキサスの原油団体の利権の本当の代表のようだ。(訂正:そういうことは、どこにも書いてなかった。私の勘違いだ。ただ、ブキャナンは、貿易赤字などを生む、国際的なビジネスよりも、国内優先主義だから、アメリカの国内油田のテキサス油田を支持する立場であることは、間違いなさそうだ)。これは、日本でいえば、ゼネコンの王の中の王であった田中角栄氏みたいなものだといえるんだと思う。と同時に、あの、副大統領チェイニーは、アメリカの軍事産業の元代表(正確にいえばセールスマン:レーガン時代にイラクへの武器を売る仕事)であり、また、こないだまで国務長官だった、クスリ業界の代表である、これまた、軍事系だったのだが、クスリのセールスまで手を出したラムズフェルド元長官も、タミフルというのを、世界に売りさばいた後、別の件で糾弾されてやめたが、

恐らく、残酷すぎる話だが、儲かったら、やめていいんだろう。。恐ろしいことだ。イラクも、同じで、既に、軍需物質の在庫は一掃して、新しい予備(ミサイル)も作って、軍事産業は大もうけを、既に終わっているので、イラクも、何らかの理由をつけて、撤退するんだろう。いや、それとも本気でイスラエルのために?居座るつもりなのか?今度の大統領選の争点だ。

最近、クリント イーストウッドという人が、硫黄島という映画を作って、珍しく、日本人も、兵隊として、立派に描かれていると、評判であるが、「世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち」には、15年以上も前の著書だが、既に、クリントイーストウッドが、リバータリアンであると書いてある。

副島隆彦氏のリバータリアンの厳密な説明を読んで、自分なりに理解してからは、やっと、20年前?(時がたつのははやいものだ)のアメリカのインテリ学生の奇妙な論争に関する疑問が、スルスルと解けていき、ああいう経験も良かったかもしれないと思えてきた。それは、つまり、アイルランド人のインテリ系のアインランド好きの彼らこそは、そういう思想の体現者というか、少なくとも、彼らの心の中の理想では、それに燃えていた学生だったんだと考えると、彼らの行動は、驚くほど理解可能になるのだ、ということだった。

恐らくであるが、アメリカにおいては、CIAとか、FBIとか、シンクタンクとかに、ああいう人たちの就職先が、たくさん存在し、そういう意味では、アメリカ人は幸せだと思える。なぜかというと、アメリカは世界覇権国であるから、ああいう言論人でも、かなり立派な仕事があるからである。

恐らくであるが、アメリカの、そういった言論系文科系は、本当に一生暮らせるかもしれないような、政治経済の論争系の仕事が山のようにある。いわゆる、シンクタンクというのは、本当に政治家を送り出しており、というか、シンクタンクが書いたレポートもしくは、シナリオを実行するのが、政治家の役目であるのがアメリカであり、ああいう、言論系大学生が、そのまんまの状態で仕事があるのである。もし、ダメならば、CNNに出ればいい。でだめなら、ラジオも色々あったりするし、新聞も多い。こういうのは、世界中で売れるので、仕事が成り立つ。ここが重要だ。アメリカの言論は、世界を動かすので、世界で売れる。ここがポイントだ。

日本の言論はいくら優れていても、決してアメリカで売れることはないし、ドイツ人の言論も第二次大戦以降は、世界で売れることはない。日本の言論を、台湾人が読んでくれることがあったり、ドイツの言論が、ポーランドや、隣国オーストラリアで売れることはあっても、世界で売れることはない。

しかし、ロシアの古典文学は売れるが、今のロシアの新聞を誰も読まないように、ロシアもダメであり、アメリカの情報だけが、アジア人でも、中国人でも、アラブ人でも、ロシア人でも、読まなければいけなくなってくるというのが、世界覇権国である、という意味である。世界覇権国、というのは、そういう意味なのだ。

よって、したがって、私の熱血アイルランド系アメリカ人の友人は、恐らく、彼の世界の中で、幸せなんじゃないかと思えるのである。

しかし、しかしである。911以降、多くの、そういった、アメリカ政府を代弁してきた、世界覇権国の代理言論人で、自分の過去、操られし忌まわしき、過去について語る人が出てきた。

彼らは、アメリカの世界覇権を指導したり、言論誘導したりする仕事をしながら、本当に、こんなんやっちゃっていいんだろうか?と、どうやら、疑問に思う場合も多々あったらしいのである。

そのうち、きっと、間違いなく、かつて、日本担当だった、というような人の、告白本が出てくるだろう。

彼らは恐らく、一応にして、学生時代の理想とは、随分と違った言論報道を、仕事だから、ということで、随分とやった、という場合が多いんではないか?そう思えてきた。

よって、あれほど、リバータリアン思想の体現者として、熱血漢だった友人も、今では、不本意ながら、グローバリゼーションの手先となって、アルゼンチンの経済操作などのメディア操作などに手を染めているかもしれない。

以前、司馬遼太郎氏が、戦前、属していた外国語学校で、たった、2年間で、マレー語とか、モンゴル語とか、日本軍が、占領した場合に、情報将校として、必要になるのでということで、脳みそが破裂するんではないかと思えるほど、短期間で、丸暗記させられて、ヘトヘトになった、というようなことを書いていた。

その頃の日本では、世界に覇権を確立するために、そういう、情報屋を育てる習慣があったのだ。そもそも、帝国、世界覇権国、というのは、そういうものであり、明治維新の頃の、イギリスの情報将校などは、当時の書記などを見ると、分析力などは、超一流であり、秀才や天才が集まっていたことがわかる。

しかし、そういう役目は、日本人も、イギリス人もやらなくなり、アメリカ人がやるようになった。全世界で。

こういった、世界覇権国としての、情報将校を育てるような、政策は、副島隆彦氏の本を読んだ限り、どうも、ちょうど、60年代のケネディ暗殺以降くらいから、発展したようだが、それは、ちょうど、アメリカの第二次大戦の戦争特需の最後の最後くらいに始まったことになる。(自動車革命、電気革命、半導体革命、原子力革命、あの頃のアメリカは凄かった)。

とすると、特需が終わったので、次にどうするか、構造的に考えないといけないと、それでシンクタンクによる、情報将校を使った、国家戦略研究が、はじまったとすれば、やや自然にも思える。その人たちが、まず最初に、とりあえず、ソ連をどうにかしないといけないと、集結し、いわゆる、軍事主義肯定主義である、ネオコン集団を作り、70年代など、特に、世界が共産主義に傾いたとき、兵器や武器を自由主義陣営へ売りさばくことによって、自由主義を広めるという、原理原則の下、結集したわけだ。

しかし、その結果、冷戦が終わったのに、原理原則だけが生き残って、ブッシュ親子のような、軍事原理主義政権を生んでしまった。というわけだ。

あまりにもソ連にこだわって、軍事産業に、優先順位を置いたので、民需産業が、おろそかになり、日本などの台頭を許したとも考えられる。

そこで、副島本「世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち」によると、ネオリベラルと呼ばれる人たちが出てきて、この人たちは、日本がどうやって、民需産業で成功したかを研究し、その国家モデルを、世界モデルに拡張したような形で、アメリカ政府と、その下請けとしての世界各国、といったような形態で、経済的世界覇権国として、いわば、アメリカ財閥という一つの財閥が、世界のあらゆる企業の親会社になる、というような、構想をねって、実行しようとしていて、それは、今でも続いているが、こういうアイディアが実行する段階まで、出揃ったのが、クリントン政権だったようだ。

これらの人々は、冷戦が終わって、ひとまず、ネオコン(ブッシュ父親)が選挙で負けて、一時的にせよ、お払い箱になって、弱者の味方たる民主党として(民主党は、そういう政党である)、民需を復活させようと、IT革命などを主導して、日本の経済モデルとされた、産官学が一体になって、輸出産業などを支援するというような方策がとられた。その際、なるべく、日本が、その新産業の中に入ってこれないように、あらゆる工作を行ったと思える。半導体とか、あらゆる分野で、日本を締め付けるのが彼らの方針だったようだ。

具体的には、アメリカと、韓国、台湾などで、日本を、産業的に挟み撃ちにするというのが、戦略だった。これは、当時、半導体業界にいた私には、それが、はっきりと感じられた。一番偉い人は、こういうことがよく見えていたようで、そういうことを、ちらっと教えてくれた。

そこで、日本の家電産業は、90年代、窮地に立たされることになり、韓国のサムソンや、台湾メーカの台頭を許した。この時期に大成功した、マイクロソフトや、デルの社長は、よく、台湾に出張するので有名だった。(たとえば、98年頃の台湾地震があったときには、これらの企業が上場しているナスダック市場が、一時的に、大暴落したが、デルの社長が、台湾を訪問して、大丈夫だ、といった途端、ナスダックの急落は、ピタリと止まり、再び上昇に転じた)。

こういう、アメリカの世界覇権国ぶりは、当時の日本の半導体業界にいた私には目に余るものがあるように思えたが、それでも、まさか、韓国メーカが日本を上回る時代がこようなどとは想像もしていなかったが、今では、懐かしい悲しい思い出でしかない。

昔のリベラル思想というのは、恐らく、今、現役で活躍してる団塊の世代前後の、日本の言論人が、ほとんど、その系統を受け継いでしまっていると思えるが、昔のリベラルというのは、「全ての人に優しく」がモットーだった。

しかし、それは、アメリカでは、日本の脅威とか言われた頃から、死んでしまった。そういう善良な考えの人をコケにするマンガ、シンプソンがはやったり、そういう善良な市民が、マヌケ役になってる、お笑いドラマ、Married with Childrenも、ちょうど87年くらいに始まったかと思った。皮肉なことに、そのドラマは、古きよきリベラル(平等主義)の代表的テレビ番組であった、ビルコスビーという黒人が演じる、驚くほど平和な黒人家族という設定の人気番組の、裏番組としてスタートした。

さて、また時代は変わり、今、アメリカ人は、中国人との対決、そして、復活するロシアとの対決、さらには、イラクとアラブ、敵だらけの時代に突入している。

私はよく覚えている。アメリカが日本を敵視しはじめた頃、すぐさま、私には直感的に、なぜだか、「それ」がわかった。私は言った。

アメリカ人は、どうしようもないアホだ!

なぜ、そういったか、はっきりとはわからない。しかし、当時の私には、アメリカが日本を切るということは、中国が台頭するということを意味するというのが、はっきりと見えていた。当時、そういうことをいう私を、日本の友人は、頭がおかしいのではないか、と思ったかもしれないし、そうなるという根拠もなかったが、直感的にどうしても、そうなるように思えた。当時、私は、中国に日本が滅ぼされるという短編小説を書いた覚えがある。お粗末な文章だったが、内容は、核爆弾が北朝鮮だったことを除いて、当たっていたりする。

ちなみに、アメリカ人が、アホだ!といったのは、湾岸戦争の後だ。アメリカは世界中を敵に回すつもりか?唯一、味方かもしれない日本を叩くのか?アホか?

私はそういいたかった。当時のアメリカ人には、今のように、本当に世界中がアメリカを嫌うことは、想像もできなかったようだが、私にはハッキリと、それが見えた。だから、私は、大声で、Americans are stupid!と、いったんだと、今になって気づいた。

今度、あの、アメリカのマッチョ主義(正義とか強さ)を象徴する、シルベスタースタローンが、また、ロッキーという映画を懲りずにやるらしい。あの人は、自閉症の子供を持ってるそうだ。その子のためにやるのか?どういう意味があるのか?アメリカのためにやるのか?

もう、無理なんじゃないだろうか。そういう小手先の精神的誘導は。ちなみに、冷戦後のアメリカ中心の世界秩序を考え出すという思想の原点もしくは背景に、レオシュトラウスという哲学者がいたそうだ。この人は、ギリシアローマの哲人政治とか、主義を、研究したらしい。最近、英米系歴史ドキュメンタリー番組で、そういうのがやたらと多い。それに、今度は、スパルタ兵の映画までできるし、そういうのが多すぎる。(恐らく、基本は、ギリシアの哲学者プラトンによる、優秀な人間による大衆の支配、というような発想が中心にあると思える)。

あれも、その系統のプロパガンダの一例だろうか?

思うに、今の路線は、ブッシュ政権である限り、続くが、昨年、民主党が、選挙に勝ったくらいのときから、急に、株式市場に変化が見られ、日本から中国への資金シフトが、驚くほど明らかになった。(民主党は、クリントン以降、反日本、親中国、となっている。なので、靖国とか、従軍慰安婦とかでも、民主党は、中国などの味方をする。その点、ブッシュの共和党は、日本の味方をすることがおおい。)

しかし、最近のアメリカの報道では、かなり、念入りな中国批判が、相次いでおり、物凄い勢いになっている。これは、恐らく、次の政権は、仮に民主党が勝つとすると、かつて、ネオリベラルが、クリントン政権を通じて、包括的日本つぶしを行ったように、大規模なものなのか?

それとも、ブッシュ政権的な、イラク戦争を中心とすると、中東シフトしたままの、中国は、とりあえず、放置しておくという、今の方針のまま、どの政党が勝っても、続くのだろうか?

今の段階では、どうも、そうらしい、と、考えることにした。

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