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ここ数週間、冬入りする中、風邪をひき、なかなか治らないでいた。その間、今回、ノーベル賞を受賞した、南部陽一郎博士が提案された、対称性の自発的破れの概念が、どうやって、質量の起源を解明するまでに至ったか、NHKスペシャルのような、一般向けにわかりやすいような切り口で、書けないかと思って、色々と勉強しなおして、ようやく、見えてきた。なので、ちょっと書いてみる。

対称性の破れ、という概念がある、ということは、つまり、対称性が破れてない場合があるということを、当然ながら、意味する。

この対称性という概念を、物理学の表舞台に引きづり出したのが、ネーターという学者だったそうだ。

このネーターという人は、そういった物理の教科書によく出てくるのですが、直感的にわかりにくいところがあって、そこで、諦めてしまう人も多いと思います。少なくとも私はそうでした。

最近、ようやく、このネーターの定理(対称性があると、保存量がある=何かが不変になる)というのが見えてきたので、それを説明します。

というか、上のカッコの中で、対称性があると、何かが不変になる、これが、ネーターの定理だと、わかりました。

何かが不変になるというのは、どういう意味かというと、エネルギー保存の法則とか、そういう、変化しない量がある、と、そういってるに過ぎないと判明しました。

では、南部理論でいうところの、対称性が破れているというのは、何を言っているかというと、そういったエネルギー保存もあるけども、ラグランジアンというエネルギーの親戚もしくは兄弟のようなのがあるんですが、

通常、ラグランジアンは、エネルギー保存の法則のように、ラグランジアン不変の法則のようなものがあって、それと同時に、エネルギー最少の定理だったか?つまり、光などは、色々な通り道があったら、一番、エネルギー消費量が少ない道を自動的に選ぶという法則ですが、これが、そのエネルギーの親戚か兄弟である、ラグランジアンというのが、一番少なくなるのは、どういう場合か?というのを計算すると、自動的に、ニュートン力学とか、電磁気学などの方程式が出てくる、という魔法のようなことが起こるのですが、

色々書きましたが、ネーターの定理というのは、そのラグランジアンという量が、場所とか、計算する場合の軸とかを変えても、量が変化しない場合(通常、変化しない)、対称性が存在する(どこを見ても同じ、というような意味合い)と「決めた」んですが、

真面目な南部さんは、師匠であった、湯川秀樹博士が提唱した、中間子というのを見る限り、それまで知られている方法で、計算すると、どうしても、ネーターの定理で、対称性がある条件である、保存則が成り立たないと考え、ということは、対称性が破れているのではないか?保存してないんじゃないか?と実にストレートに、考えたんだと思います。

ラグランジアンという物理量を、湯川理論などに応用すると、その量を計算する際、若干、位置をずらして、計算したりすると、すぐさま、本来、不変のはずの、ラグランジアンが、変化してしまいます。ところが、その変化する量が、どうも、一定量変化する、ということに、どうも、気付いたようであり、その量、つまり、新しく出てきてしまう量は、何を意味しているのか?と考えたあげく、きっと、それは、粒子だろうと、考えたところに、南部理論の真髄があるんだと思います。これは、一見すると、難しい話に見えますが、要するに、空間に、何かある(粒子がある)場合、当然、何もない空間(何もないんだから、どっから見ても対称性がある)とは違って、何かある空間は、対称性=保存されてるはずの量が、不変でなくなっている、ということ、だけ、だと思っていいんじゃないかと思います。

しかし、南部博士が、これを提唱した後、すぐに、ヒッグスという人が、南部理論の特殊ケースで、わかりやすい場合を書いた論文を出したので、そっちの方が有名になって、対称性の破れではなく、ヒッグス場が、本来ゼロであるはずの、色々な粒子に、質量を与えている、と皆、覚えるようになりました。これは、その後、30年くらいずっとそうだったんだと思います。いや、40年くらいかもしれない。

ここでずいぶんと、はしょってしまいますが、南部博士が、そういう、もともとゼロだった粒子(南部ゴールドストーン粒子という)が、質量を得る、という場合、空間、もしくは、真空は、対称性が破れている2つの少しだけ特徴が異なる粒子で埋め尽くされているので、あらゆるものには、質量という形で、保存量を一定量、変化させている=対称性が破れている、と、南部理論では考えていたのですが、

長い間、とりあえず、といった感じで、ヒッグス場という、何か得体の知れないものがあって、それが、本来ゼロ質量であるはずの、南部ゴールドストーン粒子(あらゆる粒子と考える。つまり、全ての粒子は、最初は質量ゼロだった、ということ、それが、南部理論)に、質量を与えている。

でも、真空とか、空間が、若干、特徴が異なる粒子のペアで埋め尽くされているなどということは、直感的もしくは、普通に考えると、ありえそうになく思えます。

しかし、私が調べた限り、転機は、2004年、東大のグループが、クオーク凝縮、という概念、つまり、南部博士が提案した、クオークが凝縮=二つのクオークのペアが、真空を埋め尽くしている、ということを、実にユニークで、間接的なやり方で、その存在が確かであり、早川教授という人だと思いますが、早野教授でした。詳細は、以下のページ。
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/info/hayano.html

真空もしくは、空間は、若干対称性がずれた、2つのクオークのペアで埋め尽くされており、それが、宇宙に存在する、あらゆるものを構成する素粒子の質量の98%を与えている。

ということを、実験的に証明したらしいのです。そのさい、今回のノーベル賞の同時受賞者だった、益川-小林博士が提案した、対称性が破れたトップクオークとボトムクオークというペアの特性が実験する際に利用されたんだと私は理解しました。(上の早野教授のグループの実験では、正しく、益川氏が理論的に予測した、カイラル対称性というのが破れている=右回り、左回りに回転している粒子を発生させる特殊な実験をすると、益川氏が予言した粒子が関与する場合にのみ、右回りだけが、左回りより、多く観測される=カイラル対称性が破れている)

これによって、間接的な方法ではありましたが、もし、こうならば、これ以外ありえない、というような、逆説的な方法論で、東大グループが、質量の98%は、対称性が破れている=空間には、対称性が破れた(同じではない)粒子のペアで、埋め尽くされているので生じる、と、誰もがわかるような実験で、証明されたようなのです。

では、98%と書きましたが、残りの2%は、どっから来るのか?というと、今のところ、最初の40年、素粒子に質量を与えていると考えられてきた、ヒッグス場もしくは、ヒッグス粒子(今年もしくは来年、稼働する欧州の巨大施設で発見されるのを期待されている)が、残りの2%の質量を与えているんじゃないか?と、今のところ、考えられていて、しかしながら、もしかすると、ヒッグス場もしくは、ヒッグス粒子以外の要因が、残りの2%の質量を与えている可能性がありえ、もしかしたら、欧州の馬鹿でかい実験場で、何も見つからなかったなんてことも、可能性ゼロではないのかもしれない、と私は妄想したりもしています。

その場合、南部理論に従うとするならば、やはり、残りの2%も、何かしら、対称性が破れているから、生じているということになるはずで、

ここからは、私の素人的な妄想ですが、2003年くらいに、筑波のグループが、ニュートリノという、本来、質量がゼロだと思われていた粒子には、実は質量があったことが、実験的に証明され、もしかしたら、これが、何か、新しい粒子で、何かしら対称性を壊している原因を宇宙全体的に作っている可能性があるのかなあ、などと、妄想しています。

また、最近知ったのですが、去年、ベストセラーになった、ランドール博士が提唱している、5次元の世界で考えると、重力も、南部理論や、益川理論の延長戦上にある、標準理論というのに、矛盾することなく、今までのように、無限大が、無限大に出てくるので、計算不能、というのから逃れられる、ということらしいのですが、ちなみに、無限大が、2,3個しかない場合は、日本人ノーベル賞2号の朝永博士や、有名なファイマン教授が提唱した、くりこみ理論というので、無限大を、なかったことにするというような、もしくは、無限大に見えるけども、実際には、プラス方向に傾いた無限大と、マイナス方向に傾いた無限大があるから、打ち消し合って、本当はゼロ、もしくは、マンデルブロー集合というのがありますが、以下のような図ですが、

これの周囲の長さを測れ、といわれると、拡大しても、拡大しても、同じ形が出てくるので、周囲の長さはそれこそ無限大で、普通の計算方法だと、周囲の長さが無限大なんだから、面積も無限大になりそうです。ところが見てのとおり、面積はある一定の枠におさまってます。これと似た雰囲気で、計算上は、無限大になってるけども、実際には、見ての通り、たとえば、計算では無限大になる、電子とかの質量は、有限であることがわかってるので、おそらく、出てくる無限大は、本質的なものではなく、計算するときに無意識的に使っている、数学の方法か、計算する際に使っている尺度のようなものが、小さい世界に適応するには大きすぎるから、計算上、無限大に、見えてしまうということで、だったら、それは、偽の無限大だから、本来ないはずだから、実際の実験値で置き換える、というようなことをやります。(ここら辺は、自信はありません)。

いずれにせよ、以上のような過程で、南部理論と、益川理論は出会い、東大の早野グループと理化学研究所などの協力で2004年に質量の98%は、対称性の破れが原因であることが証明され、また、更に、その上をいくかもしれない、上記のような、無限大を、とことん、真正面から、スーパーコンピュータを使って、正真正銘、南部理論の対称性の破れが、間違いなく、計算オンリーの世界でも、ピッタリ、無限大分もちゃんと、膨大な量の計算を、おそらく、可能な限り、真正面なやり方で、コンピュータでシュミレーションし、間違いないだろうというのを、証明したのが、私が前から興味を持ち、このブログでも、他のブログでも書いてきた、筑波KEKの橋本省二助教授という人で、それが、証明されたのが、去年であり、その計算には、IBMが特注品を開発して、大規模な計画だったようで、

その辺から、アメリカ財界などに、もしくは、去年くらいに翻訳された南部博士の名著「クオーク」に、誰が最初に、どれを発見もしくは、理論として提唱したか(圧倒的に日本人が多い、しかしながら、西洋人の間でさえ、無名な人も取り上げられており、平等で詳細に素粒子の歴史が書かれている)などが書いてあり、今まで、ほとんどすべて、欧米人の名前がついていたような理論なども、本当の発見者が、英語で、わかりやすく、一般人でも読めるような本なので、最近、そういう意味では、かなり、よくなってきた、ノーベル財団が、詳しく調べて、本来のパイオニアであり、見過ごされてきた、偉大な南部博士と、質量の起源から、統一理論を構成するにあたって、絶対的に必要不可欠だった、益川-小林理論に、ノーベル賞が与えられたのでしょう。

ちなみに、もっと、目利きが多いと思われる、アインシュタイン賞などは、かなり前に、そういう日本人たちは受賞している。

ちなみに2、、ドイツで始まった、元祖、ベクトル系数学(矢印のように、向きと長さを持つ量に関する数学体系)を完成させ、20世紀以降の全ての物理学に応用されている、ガウス理論を記念して、ガウス賞というのが、始まりましたが、第一回目の受賞者は、伊藤積分、と呼ばれる、実は、今、世界を揺るがしている、デリバティブ商品、金融工学、金融数学の基礎中の基礎(有名なブラックショールズ方程式というのは、伊藤積分の応用にすぎないらしい)を確立した伊藤氏に贈られることになったそうだ。この辺は、あんまり詳しくないので、深入りしないが、金融危機の裏にも、実は日本人数学者がいた、とは、、日本人の数学者、物理学者、恐るべし、としかいいようがない。

最後に、去年ベストセラーになった美人のランドール博士が提唱する、5次元の宇宙論に、ピリッと辛口のスパイスに似た雰囲気で、量子力学の最大の謎とされているアブラハム・ボーム効果というのがあるんですが、これと、ランドール理論を、合体させた、細谷博士という人がおり、どうも、この細谷機構というのが、いまだに統一されていない、重力をつかさどると考えられている、未発見の重力子と、南部理論で説明されるような、素粒子を、統一的に記述できるかもしれないらしい、と、私なりに理解してます。

細谷機構というのは、ランドールさんの理論と、前述AB効果という謎の現象を結びつけるという意味では、おそらく、最終理論のようなものでありえ、こないだ、細谷氏は、賞をもらったので、認められたということでしょう。欧州の大型加速器が、何か発見したら、突然、細谷氏が、時の人になる可能性があるのではないか?ランドールさんとの2ショット?もあるかもしれない?などとも思うようになった。ただ、この細谷機構は、アインシュタインの一般相対性理論とか、ランドール理論とかと同じで、あまりにも、用いられる数学が難しいので、さっぱりわからない。この辺にしておこう。疲れた。
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