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その昔、東アジアでは、中国を頂点とした、

朝献制度

と呼ばれる、不思議な制度が、長い長い間、続いてきました。

中学校とか、高校の教科書で、朝献制度とは、というハッキリとした定義を教わった気がしないんですが、

以前、副島隆彦氏が、ご本人の代表的著書「属国日本論」に関して、説明されているときか、本そのものに書いてあったような気もするが、

副島氏は、若いころ、イギリスに旅行か留学か?社員研修か何かで、ロンドンのディスコかどこかに行き、イギリス人の知的そうな女の子に?

日本っていうのは、アメリカの朝献国なのよ!(Tributary State :英語でいうところの属州とか、属国を表す言葉と思える。旧大英帝国の、カナダやオーストラリアなどは、まさに、朝献国という意味で、Tributary Stateだったのかもしれない)。(たしか、Tributary Stateだったよな、英語。)

と、言われて、それ以来、どうも、日本はアメリカの属国であるという副島理論を展開して、いまや、97年に出した、属国日本論から10年で、出す本が必ず、書店で1位になるくらいすごい人になった。

そして、同じく私が注目している、ロシア政治経済ジャーナル(RPE)の、北野幸伯氏が言うには、

今度は、日本は、アメリカ依存から、中国依存になる。いずれ、そうなるので、よって、日本は独立心を持たないと、中国はアメリカほど、間接的ではなく、場合によっては、日本を吸収してしまうだろうと言っている。

そこで、私は、では、今はアメリカ依存で、戦前は、少なくとも明治から大正時代までは、大英帝国依存だったと思える日本だが、その前は、いちおう、中国の朝献国ではなかったことになっている。

朝鮮王朝や、ベトナムなどは、明らかに、中国の朝献国家として、毎年、美女三千人であるとか、宝物を献上しなければならなかったはずだと理解している。

チベットや、ウイグル(トルキスタンなど)も同じで、100年前くらいに、キルギス人や、ウズベク人など、中央アジアの人達は、寒い山を越え、ゴビ砂漠を横切って、そこまでして、中国に、貢物を運んでいたそうだ。現在でも、当時の生き残りの100歳老人などがいて、そういう時代もあった、と、楽しそうに話しているのを、NHKのシルクロード系の番組で見たことがある。

日本でも、日宋貿易とか、朱印船貿易などで、朝献国流のやり方で、日本の場合、金や銀が豊富だったので、朝鮮王朝のように、美女三千人などを送るようなことはなかったようだが、

問題は、なんで、中国の周辺国家は、そこまでして、貢ぎ続けたのかだが、これは、現在、日本が、アメリカに、かなり違った方法ではあるが、貢ぎ続けているのと、実によく似ている。

戦後のアメリカは、ローマ帝国を参考にしている、という説もあるが、おそらく、西でも、特に東洋的な君主制度を持っていた東ローマ帝国(ビザンチン帝国)では、同じような、朝献制度があったんだろう。

このシステムの、唯一、考えられる利点は、おそらく、

見返り

であり、中国に朝献した国は、見返りとして、中国に軍事的に守ってもらえることになっており、それが事実だった証拠として、たとえば、秀吉に攻められた朝鮮王朝は、すぐさま、明に助けを求め、秀吉軍を撃退した、ということになっている。

また、アヘン戦争や、アロー戦争は、中国に朝献していた、ベトナムを、フランスが、植民地化するということで、朝献システムの理屈では、親として、子供を助けるような意味で、助けなくてはならない、となり、アロー戦争などを、中国(清)は行うのだが、負けてしまい、そこが、歴史の転換点になっている。

その辺から、世界は、今度は世界の覇者となった、大英帝国に、朝献するようになった。インドやアフリカは、次々と、大英帝国の領土となり、まさしく、絵にかいたような、朝献国家(よりもっとひどい植民地?いや、もっとひどいかどうか?検証が必要だ)になった。

不思議なことに、日本は、そういった中、植民地にはならず、ある程度の名誉ある独立を許されていた。それは、ひとえに、明治政府の、苦しみの選択、文明開化政策や、富国強兵政策がなしえたといえるだろう。

アメリカ時代になると、日本は、イギリス時代のような、間接的な関係ではなく、直接的な意味で、朝献的な国家になった、というのが、現実的な意味での、歴史だと思う。なにしろ、アメリカ軍が、今でも駐留しているのですから。まあ、色々考え方はあると思えますが、いちおう、アメリカが好きな人は、アメリカに、輸出、とか、貿易黒字、という形で、ある種、朝献貿易をしている日本は、正しいことをしているということになっている。

しかし、最近のサブプライム危機などでもそうだが、日本は、アメリカの国債(アメリカの借金)を、肩代わりしており、そういうお金は、クレジットカード破産する、貧乏アメリカ人の救済などにも、使われているというような、おそらく、タブーであるようなことは、言ってはいけないことになっているのか?よくわからない。

その代りに、トヨタなど、自動車を輸出しまくって、現地メーカーが、消滅しそうになりそうになっても、許されている、というような理屈で、何かしら、名誉ある、朝献貿易のようなことをやっている、と、考えられないこともない。

室町時代の日本は、足利義満が、日宋貿易を行い、よく、教科書では、

「よって、義満は、貿易によって、巨万の富を手に入れた」

などと書いてあって、いまいち、どういう仕組みで、そういうことがいえるのか?素直になれなくて、困っているのだが、

平の清盛も、中国との貿易で、巨万の富を手に入れて、平家にあらずんば人にあらず、といった感じで、源氏に滅ぼされるわけだが、

当時の貿易商品で、現在のトヨタに相当するのは、おそらく、日本に豊富にあった、金や銀だったんではないかと思え、もしくは、豊富な海産物だったかもしれないが、

日宋貿易では、日本の輸入品は、何が一番多かったかというと、司馬遼太郎氏が、どこかの本で書いていたんだが、書物だったらしいのだ。

もちろん、装飾品とか、花瓶とか、陶器系、の、高級舶来モノ系も、相当あっただろう。

おそらく、今の日本でも、何でも鑑定団があるように、当時も、そういうのがあって、そういうものは、かなりの高値で売ることができて、それによって、平の清盛や、足利義満は、巨万の富を得ることができた、という、あの説明になるんだろう。

現在の日米貿易では、これが、もう少し、複雑になっており、軍隊で守ってもらうという点では、中国式の朝献システムと実に似ていて、瓜二つともいえるが、思いやり予算などという、変な名前の金品献上が存在する。

しかし、では、その見返りに、米国債というアメリカの借金を肩代わりする見返りに、いくら、貿易黒字が増えても、アメリカの地場産業が、倒産しても、許されている、とか、

実質的に、世界の資源をコントロールできる立場にあるアメリカに、特に、石油という意味では、アメリカの通貨を使って、買うことができるというか、実質的に、現実的に、日本の石油は、日本ではなく、アメリカの中東における軍事力によって、安定供給を保障されているとも、解釈できる。それが、朝献の見返り、と考えることもできそうだが、

金属資源なども、穀物なども、日本は、ほとんど100%輸入という場合も多い。

第二次大戦では、こういった、生活にかかわるような、石油から、資源まで、いわゆる、ABCD包囲網によって、その供給が断たれたために、そういった、安定供給に、日英同盟のころから、慣れ切っていた、安定供給を、なんとかしなければいけないと、オイルショックの時の日本の主婦のように、慌てて、インドネシアや、マレーシアなどの、当時、知られていた、産油国を傘下に置こうとしたのが、山本五十六作戦の正体だった可能性は、十分にありえる。

まず、確保ありき、であり、そのあとは、考えてませんでした、というのが真相である可能性が、かなり高いかもしれない。

それくらい、資源の安定供給というのは、最近の、世界資源高でも、色々な教訓を得たが、タダではないというか、それを、安定供給させてもらっているという意味では、アメリカに朝献している(米国債を、介入などという名のもとに買って、アメリカの借金を肩代わりする)、見返り、として、日本も、韓国も、中国も、同じようなことをしているが、

中国の場合、自らが資源国でもあり、そういう、裏の世界を実は、歴史的に、元祖、朝献システムの国でもあるから、非常に、その辺のメカニズムを熟知しているように見え、ここ10年ほどで、中東や、アフリカの資源国を、味方につけてしまった。

そうすれば、万が一、カナダやオーストラリア、ブラジルなどの、英米系の資源国に頼って、それが断たれると、あっという間に困ってしまう、日本のようにならなくてすむわけだ。

印象深かったのは、日本が、2008年に急騰した、資源を、必死になって、大幅値上げを受け入れ、英米系国家から輸入している間に、中国は、値上げを、無視し、ロシアから、資源を輸入したり、イランに大金を資本投入したりしながら、アフリカまで赴いて、英米系に頼らなくていいように、うまい仕組みを作り上げていった。

これは、資源戦争という意味では、中国の勝ちであるといえるのかもしれない。もしくは、イランにも深くかかわっているロシアと中国の勝ちだろう。

負けたのは、資源国のオーストラリア、カナダ、ブラジルか?

今、そういった意味で、ホットな国は、ウクライナであり、ウクライナの黒土は、世界一、栄養分が豊富らしく、農業に適した土地が多く、はやくも、イギリス系のビジネスマンが、買い占めを行っている。日本は、ようやく、なぜか、大前研一氏が率いる産業リーダーたちが、ウクライナ政府に、あいさつしにいったばかりだが、これには、もう一つ、裏があって、実は、ウクライナは、鉄鉱石の埋蔵量が、世界一なのだそうだ。信じられない話だが、穀物、鉄鉱石、両方、

これを見て、苦い思いをしているのは、EUもしくは、フランス、ドイツなどの国で、彼らは、どうしても、ウクライナを、自分たちの方へ振り向かせたいと思っているのだが、イギリス人のように、ビジネス上手ではないので、困っているようだ。

欧州に関して言えば、第二次大戦後、相当長い間、欧州も、無傷の戦勝国アメリカの、朝献国家になりさがっていた。かつては逆だったはずだが、

そこで、欧州は、苦しいけれども、欧州共同体を作り、共通通貨ユーロまで作って、フランスが中心になって、サダムフセインなどと、石油同盟を結ぼうとしたら、あっという間に、アメリカにやられてしまった。

しかし、欧州は、なんとかして、アメリカの朝献国であることから抜け出そうとしており、ドイツなどは、第二次大戦直後は、アメリカに大量に輸出をしたり、米国債を買ったりして、アメリカの借金の肩代わりをして、その見返りとして、ソ連から守ってもらうとか、そういう、典型的な朝献国家になっていたが、その点では、同じ敗戦国でアメリカの傘下に冷戦構造的には入っていた日本も、そっくりだった。

欧州では、東ドイツがあったが、アジアでは、北朝鮮があった。

ソ連を中心とする世界でも、やはり、ソ連を中心とした、朝献システムが機能していたようであり、それには、東は北朝鮮、西は東ドイツまで、影響力は巨大だった。あの頃のソ連は、恐ろしかった。

そういった、ソ連傘下の国々は、冷戦下で、ソ連に守ってもらうというか、共産主義を支えてもらうというような、朝献システム的な、相互関係が、いちおう、存在していた。

しかし、今になって、冷戦を分析してみるに、おそらく、アメリカの方が、朝献システムをうまくやってみせた。特に日本とドイツを味方にできたことは大きかった。韓国とか、台湾とか、香港なども大きかった。

アメリカがあれほど、ベトナムにこだわったのも、そういった意味で、あの辺に、ソ連の飛び地のようなのを作られると、非常にやりにくくなるからだろう。ベトナム沖は、資源の輸送ルートでもあるからだ。

なので、シンガポールなどは、非常に重要だった。資源という意味では、中東を抑えた方が勝ちなのは、明白だった。だから、中東に、アメリカの飛び地のようなイスラエルを置いて、それを支持することによって、中東の産油国に睨みをきかせていたわけだ。

結局、資源と軍事と穀物、なのかもしれない。そこを、いかにして抑えるかが、朝献システムの長になれるかどうか?世界の番長になれるかどうか?という意味で、重要なんだろうと思える。

そういった意味では、原爆やレーダーから、コンピュータまで、圧倒的に、世界をリードしていたアメリカの時代が続いたが、今の世界は、そういった意味では、さほど、差がなくなってきている。

皮肉なことに、ソ連の崩壊が、それを招いたのかもしれない。

軍事、資源、穀物、この3つを、抑えた国が、世界の番長になれる、朝献システムを築いて、朝献させることができるというわけだ。

そういう意味では、中国は、間違いなく、そういう位置に限りなく近いところにいる。それには、ロシアでさえ、青ざめる。

もし、そういう意味で、アメリカが番長の役目ができなくなるとすれば、日本は、もし、今までのように、加工貿易立国でやっていくならば、当然、軍事、資源、穀物、という、番長の三種の神器を、どこかから、手にいれなければいけない。

それができなくなって、第二次大戦は起こったと考えることができるし、満州国設立なども、同じ理屈だ。南方戦線は、まさしく、石油戦線だった。というわけだ。

となると、上記の3つの番長のメシの種を、自分で確保できていない現在の日本は、やはり、その3つを持っている国に、頼らざるを得ないということになる。

これは、日本は、資源、軍事、穀物が、自給自足できない、という前提では、そうなる。しかし、もし、自給自足が3つとも、できるならば、番長の、使い走りや、かつあげの対象になって、いじめられることもなく、名誉ある孤立を許される場合がありえる。

いわば、あいつは、なかなか、できるやつだから、そして、自己完結してるから、手を出さないという、番長もしくは、番長どうしの暗黙の掟で、許されている、イケメン君のような感じだ。でも、喧嘩が強い、実は、格闘技が得意であるとか、何かそういう、一見すると、馬鹿らしい話に思えるが、それが、どうも、歴史が、教えてくれる、朝献システムに、組み入れられないための、条件のようだ。

我ながら、大きなことをいうが、この文章を、テキストか、教科書くらいに思って、自給自足できる、イケメン的、名誉ある孤立を、おそらく、次期番長候補である、中国から勝ち取らなくてはいけない。

アメリカ式の、朝献システムでは、日本は、かなり頑張ったといえるんじゃないかと思う。最初のころは、結構ひどく、三島由紀夫のような、人物を、まるで吐き出すような、嘔吐や、疲労や、絶望があったが、ここ35年くらい、三島後、角栄後の日本は、アメリカ式、朝献システムの元で、名誉ある、経済大国2位、というところまでこれた。

しかし、カリスマ的?言論人たちは、次の時代を見据えて、極端なシナリオを、とりあえず、書きだしてみる、という、正しい方法論を、言論を通じて、やりはじめている。

それとも、、、アメリカは、番長であり続けるのでしょうか?

残念ながら、どうも、世界を制する国は、資源、軍事、穀物。この3つがないと、だめらしいと、書いていてわかってきた。

そうでない国は、朝献国家になるか、ギリギリの名誉ある独立国家になるか、欧州のように、なんとかして、自給自足を、エコロジーという英知によって乗り越えるか、日本は、やはり、そういう意味では、エコロジーが似合っている。

しかし、アメリカのオバマは、エコロジーだと、3つの力、たる、軍事、資源、穀物を持っているのに、それでも、エコロジーをやろうとしている。

まあ、とりあえず、なるべく、自給率を上げるというほか、言い様がない。それ以外に、朝献システムから逃れる方法は、ありえないのだと、私は理解した。
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